江戸時代後期、黒い蕎麦殻をむく「脱皮」の技術が完成し、白い蕎麦が広まりました。
 白い蕎麦が江戸で広まったので、白いのは「江戸」、黒いのは「田舎」と分けられるようになり、現在でも、蕎麦殻がついたままの玄蕎麦から製粉した黒っぽい蕎麦を「田舎蕎麦」と呼ぶことが多いです。

 蕎麦殻を取り除くには、1つ1つ手でむいたり、すり鉢のようなもので軽く砕いてから殻を取り除いたりすればいいですが、効率良く脱皮するために石臼が使われました。

1 ふるいを使って、玄蕎麦の大きさを3~4段階に分けます。
2 上臼と下臼の間に、蕎麦の実よりすこしせまい隙間を作り、挽きます。
3 蕎麦殻が割れて、蕎麦殻と、中に入っている、うすい緑色をした実に分けられます。
4 元々の玄蕎麦よりちょっと小さい網目のふるいにかけて取り除きます。(詳しくは後ほど・・・)
 これで、蕎麦殻のとれた「ぬき実」が出来上がります。
初めに大きさを分けるのは、蕎麦の実の大きさによって、臼の隙間を調節するためです。

 さてこの作業を「コーヒーミル」で真似してみようと思いましたが、うまくできませんでした・・・。隙間が安定せず、殻がとれても実が崩れてしまいました。

 現在は。
 製粉会社や自家製粉をしている蕎麦屋では、選別機と脱皮機を使います。

 選別機は玄蕎麦の大きさを何段階かに分ける機械です。
 例えば、このようなもの。
ph_sg2000n

 「國光社」の製品です。(そば関連の機器では一番有名なメーカーです)
 この機械1つで、玄蕎麦を5つの大きさに分けることができます。
 例えば、直径が
①5.0mm以上 ②5.0~4.8mm  ③4.8~4.6mm ④4.6~4.4mm ⑤4.4mm以下
のように。
 すばらしい機械です。ただしとても高価・・・。

 そして、殻をむくのが脱皮機です。
 このようなものです。
ph_spx

 大型だと
ph_sp34h

 こちらも結構なお値段・・・。

 蕎麦小屋のような小さな店ならこちらで十分です。
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 もみすり機です。
 本来はお米のもみ殻を取り除く機械ですが、中の部品を交換して回転数を落とすと「蕎麦用」に改造できます。

 使い方は
 上のホッパーに玄そばを投入します。
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 玄そばはあらかじめ、選別機で大きさをそろえてあります。
 ここでは直径5.0~4.8mmの大きさの玄そばを使っています。

 スイッチを入れると何かが回りだして、下からそば殻が取れたものと、まだ取れないものが混ざった状態で出てきます。
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 これを、直径4.8mmより小さなの穴をあけたふるい(自作)でふるっていきます。
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 元々5.0~4.8mm大きさの玄蕎麦ですが、蕎麦殻が取れると一回り小さくなるので、
 2~3分ふるうとそば殻の取れたものは穴を通って下に落ち、まだそば殻がついたままのものはふるいに残ったままになります。
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 そば殻がついたものは、もう一度脱皮機のホッパーの投入します。
 この作業を5~6回繰り返すと、脱皮の作業が終了します。
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 最後に、ハンドピックでそば殻のついたものを取り除きます。
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 製粉会社や大規模の蕎麦屋では、色彩選別機を使って、黒いままの玄そばや、色の悪い実を取り除きます。
 「翁」で有名な高橋邦弘さんの店では、弟子たち総出でハンドピックしていました。


 これで、製粉の準備が完了です。

 この後は、製粉機や石臼で蕎麦粉にしていきます。